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生きてると疲れる

東京都、26歳、会社員。これまでと、このさき。

スタバのタンブラーと僕

最近、毎日のようにスタバに行く。

スタバに行くときは、いつもタンブラーと一緒だ。
僕のタンブラーは、去年の秋ごろに仕事の出先で買ったものである。美女がコーヒーカップを掲げているイラストが大きく描かれている。彼女に一目惚れして買ったのである。


ある日の夕方、一仕事終えて、帰社するために駅に行ったら駅ビルに入ってるパン屋か何かのテナントから良い匂いがしたのがきっかけだった。あ、何かあまいものほしいな、と思って、今日はもう仕事ないからと自分に言い訳しながら駅ビルに入っていったらスタバにたどり着き、僕は彼女に一目惚れしたのだった。

子供の頃から“スタバのタンブラー”にはちょっとした憧れがあった。いつか気に入ったデザインのが出たら買ってやろうとずっと思っていた。
今が、タンブラーを買うそのときなのだと僕は瞬時に悟った。


見惚れていると、おしゃべりな店員さんが「アニバーサリーの記念アイテムなんですよー」などと話しかけてきた。
「かっこいいですね」
「スタバのマークにもなっているセイレーンなんです。セイレーンは、歌を歌って船を沈めちゃう悪女ちゃんなんですよー」
“悪女ちゃんなんですよー”の一言で彼女の魅力はさらに増して見えた。僕はこの店員さんからタンブラーを買うことに決めた。
「これ買います」
「ありがとうございます!タンブラーを買うとドリンク券がついてくるんですが、すぐ使いますか?今だと新商品をカスタマイズで豆乳にするのが私のオススメです」
「じゃあそれでおねがいします」

よどみのない買い物だった。



売る人の“売りたい”と買う人の“買いたい”がうまく合わさったような、そういう買い物ってすごくきもちいいよね。服屋で「えー!お客様細いからよくお似合いですー!ほそーい!スタイル良ーい!」なんて営業トークにのせられて服買っちゃうのとかも好き。まあ、単に僕が女の子好きだからかもしれないけど。男の店員だと全然心に響いてこないし。


話を戻そう。
その日から、彼女はスタバに行くときの、僕の素晴らしいパートナーになった。スタバだけでなくタリーズにも連れていく。スタバはタンブラー割引が20円だけど、タリーズは30円引いてくれるのだ。
彼女と、ほほえみあいながら、一緒にコーヒーを飲む。

スタバの飲み物って、まだ若い僕の金銭感覚からするとかなり高い。だから、スタバに行くときってなんか特別だ。贅沢をしている感じが味わえる。その感じを、美女と共有できるなんて最高だ。


毎日のようにスタバに行くので、彼女はいつも僕のビジネスバッグに入っている。コーヒーを飲むときは一緒にたのしみ、デスクワークのときはデスクの上で僕の仕事を見守っていてくれる。最高だ。彼女とは次元も種族も違うけど、僕の素敵なパートナーだ。

スタバのことをこんなに好きになったのは彼女のせいだ。最近ようやくコーヒーをブラックで飲めるようになったのも、きっと彼女のせいだ。毎日のようにスタバに行くようになってしまったのは、日々のストレスの解消のために贅沢感を味わうためだが、コーヒーを飲むだけでこんなにうれしくなれるのもきっと彼女のせいだ。


これからもよろしくね、悪女ちゃん。