生きてると疲れる

疲れたら休む

セックスをしたことがない

ヤーズが切れそうになってきたから、昨日は婦人科に行った。内診のある日だった。

僕が行ってる婦人科は予約するときに“女医希望”と“どちらでも良い”の二つの選択肢があるんだけど、僕はいつも“どちらでも良い”を選ぶ。っていうか本当なら僕は“男医希望”なのである。女の人にまんこ見られるの恥ずかしいんだもん。
昨日は男の先生だった。よかった。

「今日もおしりの方から見させていただきますね」
「はい」

知ってる人は知ってると思うんだけど、ヤーズを服用していると時々内診を受けなければならない。内診っていうのは、まんこに機械を(先っぽだけ)突っ込んで、超音波かなんかで内性器の様子を見るのである。
これが、セックスしたことないと問診票で申告すると、まんこではなくアヌスから検査されることになる。



僕は25歳だが、セックスしたことがない。


文字通りの意味である。けして、「しばらくセックスしてないから童貞/処女同然だよー」などと言うやつらと一緒にしないでほしい。本当にセックスしたことがない。

ここでは“セックス”を“男性器を女性器に入れること”と定義させていただく。 風属性の人が言うところの“本番行為”ってやつである。異論は数多くあることだろうが、定義しないと話が進まないのでね。


これまで、高校生の時とか、大学生の時とか、男性の恋人を持ったことが合わせて3回ある。3回ともセックスしないうちに別れた。1年以上付き合ってたこともあったのに、セックスはしなかった。(たぶん)セックス直前までいったこともあったのに、セックスはしなかった。できなかった。


あとから暦を見たら、デートしたけどセックスできなかった日はみんな不成就日だったりして、笑うほかなかった。



なぜ、セックスできないのか、答えは簡単である。“相手も童貞だから。”これに始まりこれに終わる。僕の性生活のすべてがそこにある。“相手も童貞だから。”

“童貞・処女同士で初めてのセックスをする”という、童貞のロマンみたいなものがある。僕もその持ち主だ。いや、持ち主“だった”と言うべきかもしれない。僕にはわかってしまったんだ、“童貞・処女同士で初めてのセックスをする”なんて、言うのは簡単だが、実行するのはめちゃくちゃ大変だって。準備に準備を重ねて、練習に練習を重ねて、初めてできることなんじゃないかと思う。

童貞、初体験ともなると緊張したりするし、コンドームの付け方もよくわかってないし、入れるべき穴がどういうふうになっているかもよくわかってない。緊張とわからなさで、どうしようもなくなってるうちに萎えてしまう。そんなことの繰り返しで僕の人生にセックスは登場しないまま、25歳になってしまった。


恋人、というか、特定個人(病気とかもってない)としかセックスしたくないし、自分は初めてなのに相手が経験豊富とかだったりしたらなんかやだ。そういう気持ちで童貞としか付き合ってこなかった結果がこれである。



「会社に新たな新卒が入ってきたら、年下の男の子と出会いもあるかなあ」とつぶやいたら、「でも、年上の女と付き合おうなんて男の子は『おねえさんと付き合っていろいろ教えてもらおう』って思ってるだろうに、おねえさんが処女だなんて残念すぎるでしょ」って返してきたのが母である。母は、25歳の時にはすでに結婚していた。もちろんセックスだってしていたはずだ。


まあ、そうだよなあ。
残念だよなあ。

好きな男の子のタイプに“年下”が入ってる段階で詰んでしまった感じがある。



セックスしたいか、処女卒業したいかって聞かれたら、別にどうでもいい気がする。やったことないからセックスが良いものなのかどうかわからないし。

でも、わからないことは知りたいし、やったことないことはやってみたい。そういう気持ちで“セックスを経験してみたいな”とは時々思う。

それに、当然のようにセックスしたことある同年代の人たちが、セックスしたことない同年代の人なんていないかのようにカジュアルにセックスの話なんかしてくると僕はとてもつらい。同年代とかそれ以下でセックスしたことある人のことを、宇宙人みたいに感じることがある。正直、ちょっと怖い。
そういう話をすると「それはセックスすれば治るんじゃない?」って言われるけど、たしかにそうかもしれないなって思うけど、それのためにセックスしたいとも思わない。病気じゃないし。
セックスするにしたってぼくは恋人としかセックスしたくないから恋人つくらなきゃいけないし、でも別に恋人ほしいとも思ってないし、どの選択肢を選んでも詰んでる感じしかしない。

詰んでる。



もうだめだ。