生きてると疲れる

東京都、26歳、無職(求職中)。これまでと、このさき。

僕の“秋葉原”

今週のお題「私のアイドル」

でんぱ組.incとの出会いはYouTubeで。はじめて聞いた曲はでんでんぱっしょんだったと思う。何年前のことだったかはよく覚えていないが、出会ったときの衝撃はよく覚えている。

「これは、僕向けのアイドルだ!!!!!」



世の中ってマジョリティ向けにできている。男の人向けに。右利きの人向けに。晴眼者向けに。シスジェンダー向けに。ヘテロセクシャル向けに。
カルチャーだってそう。たいていは、マジョリティの方を向いている。

父が、アイドル好きだった。僕が小学生の頃はモーニング娘。の番組を欠かさずチェックしていたし、今はAKB48のファンクラブに入っている。そんな父のいる家庭で育ったから、アイドル文化を身近に感じてはいながらも、なんとなく、“アイドル”っていうのは父みたいな人向けのものなんだなって思っていた。シスジェンダーヘテロセクシャルの男性向け。いや、父がシスジェンダーヘテロセクシャルかどうかは聞いたことないから実際のところはわかんないんだけど。
自分はかわいい女の子とかかわいい服とか好きだから、アイドル自体は、まあ好きだった。AKBさんのコスチュームとか、あとPerfumeさんのコスチュームとかが好き。Perfumeさんはもうアイドルというよりアーティスト寄りの存在なのかもしれないけど。好き。
でもなんか、歌ったり踊ったりしているのは素敵だなって思っても、人となりにまでは興味を持てないっていうか、どうでもいいかなって思ってた。今思うと共感できる女の子がいなかったんだと思う。みんなキラキラしてて。私とは違う世界の生き物って感じだった。
それに、男女の恋愛とか描いてる歌を歌ってたりすると、やっぱり僕向けのコンテンツじゃないっすよね……という気持ちにもなった。子供向けコンテンツをたのしむときに「メインターゲットは小さなお友だちなのを忘れない」「小さなお友だちにご迷惑をおかけしない」と心がけているのだけど、それに似た気持ち。シスヘテ男性向けのコンテンツにお邪魔させていただいてる感。

だから、でんぱ組.incに出会ったときははちゃめちゃにうれしかった。ガチでガチでオタクなんだもん。仲間じゃん。オタクがオタク向けにアイドルやってるの。最高。すごい。
しかも最上もがちゃんは一人称が“僕”でバイセクシャルなの。仲間じゃん(2回目)。最高。すごい。

曲の雰囲気とかPVの雰囲気とかもすごく好みだったしみんなの個性を全面に押し出すやり方もすごいよかったしとにかく気に入ったのでYouTubeの再生回数にはすごく貢献した。彼女たちがテレビに出るときも全力で見た。ほんとはもっとなんかCD買ったりグッズ買ったりもしたかったけどあんまりお金がなかったから、お金があるようになったらやりたいなって思ってた。元気があったらイベントにも行けるかなって思ってた。そう、でんぱちゃんにはまったときは鬱がすごかったから、それでなんかマイナスからのスタートみたいなところに共感しやすかったのかもしれない。

『バリ3共和国』の歌詞に“どんなにリアルがだめだってこの街は君を待ってるから”というフレーズがあって、“この街”っていうのはもちろん秋葉原のことなんだけど、何かのインタビューでねむきゅんが「みんなにとって、でんぱ組.incが自分達にとっての秋葉原みたいな存在になれたらいいな」みたいなことを言ってたのが印象深かった。どんなにリアルがダメでも秋葉原でんぱ組.incがいるしがんばってる。YouTubeで、テレビで、Twitterで、ヴィレッジヴァンガードで、でんぱちゃんの姿を見るだけでなんとなく元気が出た。がんばろうって思えた。でんぱちゃんは僕の“秋葉原”になれていたのだと思う。


でも、でも、ついこのあいだ、もがちゃんがでんぱちゃんを脱退した。それだけならまだよかったのかもしれないけど、新メンバーが2人入った。
僕の知ってるでんぱちゃんはなくなってしまった。

新しいでんぱ組.incも、独立した最上もがさんも、応援していきたいとは思う。それぞれに、素敵だと感じることに変わりはないから。でも、YouTubeで6人体制の頃のでんぱちゃんの歌を聞いてると、やっぱりこれが僕の“秋葉原”で、他には変えがたいものなんだと感じてしまう。

元気になって、お金をもって、いつか行きたかった僕の“秋葉原”。なくなってしまった。

どこにもない“秋葉原”は、僕を待っていてくれるだろうか。リアルは最悪だ。職はないし、寒いし、ひどい風邪を引くし。

元気になったら、職がみつかってお金もできたら。まだ見られてないウルトラマンギンガSの映画とか白魔女学園とかを見よう。今からでも、6人体制の頃のCDやグッズを買おう。それから、それから………あとカラオケにも行こう。
そう思う。
待っててね、僕の“秋葉原”。マイナスからのスタート、がんばるから。