生きてると疲れる

東京都、26歳、会社員。これまでと、このさき。

新卒一年目なのに半年の休職をした件

みなさんお気付きだろうか、僕が半年間ニート同然の生活をしていて、母から“ユキ松さん”などという不名誉なあだ名で呼ばれていたことに。気付かなかったのなら幸いだ。出来るだけ気付かれないようにしていたから。

ここで、前々回の記事のネタバラシといこう。

世間の祝祭日があまり関係ない世界で生きているので、お休みの日はあったけどゴールデンウィークという感じのものは僕にはなかった。強いて言えば、電車に揺られながら中吊り広告を見て、ああ…ゴールデンウィークだからいろんなイベントがあるんだなあ…ヒーローショーいいなあ…、と思っているのが僕のゴールデンウィークだった。

腹筋をバキバキに割りたい件 - 生きてると疲れる

ゴールデンウィークも働きづめで忙しいサラリーマンみたいに書いてあるが、実は違う。「世間の祝祭日があまり関係ない世界」というのは、休職中の身のことを指して言っているのである。「お休みの日はあった」とあるが、お休みの日しかなかったのである。電車に乗るのは職場ではなくお医者に行くためである。というわけで、

そのほかは本当にただのウィークデーであったから、僕は、やらなきゃいけないことがあるときはそれをやり、特にないときはウルトラマンを見たりアクセサリーを作ったりブログを書いたりしてすごした。

腹筋をバキバキに割りたい件 - 生きてると疲れる

「やらなきゃいけないこと」というのも、もちろん仕事ではなく家事のことである。

 

 

休職中であることは、両親と、話の流れで打ち明けざるを得なかった数人の友人にしか知らせていない。祖母や大学のサークルの後輩たちには絶対に知らせないように骨を折った。祖母に知られたくなかったのは、心配性の祖母に心配をかけないため。後輩たちに知らせたくなかったのは、新卒で入ったばかりなのに休職する僕の姿を見て、これから出て行こうとする社会に過剰な不安を抱かせないためである。

 

 

 人に心配をかけてはいけないなんて、大学生までの僕だったら絶対にない発想だ。大学生の僕はものすごく自己中で、人に心配をかけて世話を焼かせるのが大好きだった。

それが、たとえ半年でも社会に出れば変わらざるを得なかったんだよね。

はじめは「気をつかえ」なんて言われても、気のつかいかたなんてわからなくて、僕は光戦隊マスクマンじゃないぞ、くらいに思っていたのだが、言われまくっているうちに少しずつだがつかえるようになってきた。そういうものである。

 

 

 僕は、早起きと人付き合いが苦手だしメンタルが弱い。それでも、なんとかがんばって就職してサラリーマンになった。そこまではよかった。しかし入社3ヶ月で抑うつの症状が出始め、6ヶ月で通勤すらままならなくなり、ついにドクターストップがかかって休職に入った。

 

仕事はおもしろいし、やりがいもあると感じていた。が、問題は人間関係である。僕はこれまでオタクとしか親しくしてこなかったから、オタクじゃない人とのコミュニケーションの仕方が全然わからなかった。それに、入社当初に「会社では一人称は“わたし”、セクシャリティはクローゼットでいよう」と決意したのが今思えば大きな負担となるものだった。ひとつ秘密を作ると、あとはどんどん嘘をつかなければいけなくなる。しまいには全部嘘になる。僕は自分を見失ってしまった。

 

 

約半年の休暇は、今までで一番つらい休暇だった。抑うつで集中力がないので、本も読めないし映画も落ち着いて見られない。気力がないのであまり出かけられない。行きたかった春画展も行けずじまいだった。

症状は良くなったり悪くなったりを繰り返した。良いときは全然元気で、これならすぐに復帰できるかと思うくらいだったが、またすぐ悪くなるのである。はじめは1ヶ月休めば治ると考えていたが、2ヶ月3ヶ月と延び、気が付けば休職できる期間ギリギリの6ヶ月にまで及んでしまった。

 

半年も休むと、さすがに症状も落ち着きを見せてきていた。僕は、風邪を引いた母の世話ができたことで自信をつけていた。毎日、朝起きて夜眠れます、ごはんも食べられます、とお医者に話すと、復職の診断書が書いてもらえた。

 

 

来週、僕は復職することになっている。 

 

 

 

正直不安はある。精神病には全快という概念がないらしく、僕はまだ少し薬に頼った生活をしている。また悪化するかもという恐れもある。でも、今の僕なら働けるとお医者のお墨付きだし、休職中も僕のことを心配してくれた会社に恩返ししたいという気持ちもある。また仕事を通じていろんなものやいろんな人に出会えるのがたのしみでもある。 

何より、半年の間自分を見つめ直して、「おとうさんになりたい」「人の役に立ちたい」という夢を取り戻せたから、よかった。 

 

僕は、仕事があんまりできないくせに真面目すぎるという鬱になりやすい性格なんだけど、お医者が「全力を出そうとしないで、6割くらいの力でやるつもりで取り組むといいですよ」とアドバイスしてくれた。ゆるゆる、少しずつ、がんばりたいと思う。